ドローンでデータを収集し作物の健康被害を事前にふせぐ!ドローン×農業スタートアップ「Aerobotics」

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南アフリカのスタートアップであるAeroboticsは顧客基盤の拡大と新サービスの開発のため約200万米ドルの資金調達を実施した。

Aeroboticsは人工衛星、ドローン、AIを活用して収集したデータをもとに農家の収穫量の最適化とコストの最小化を可能にする農業ソリューションサービスを提供している。

Aeroboticsは昨年8月にシードラウンドで南アフリカのケープタウンに本拠を構えるベンチャキャピタルの4DiやケニアのSavannah Fundから約60万2000米ドルの資金調達を実施していた。今回は昨年に引き続き更なる資金調達となった。

今回のラウンドには、南アフリカの4大銀行の一つであるNedBankやボストン拠点で投資を行うJoe Caruso氏、前回に続き4Diも参加した。

ドローンを活用した作物管理サービス

・会社名: Aerobotics

・設立年: 2014年

・創設者: James Paterson氏、Benji Meltzer氏

・調達額: 約200万米ドル

・領域: ドローン×AI×農業

・サービス: ドローンと人工衛星を活用して作物の健康状態のモニタリング。オンラインデータで全ての作物の健康状態の可視化。

・解決する課題: 農業には害虫や作物の病気、自然災害など様々なリスクがあり、前もってリスクを軽減するには時間とコストがかかる。害虫や病気を予防する農薬の値段は上昇を続けており、それがコストの圧迫につながっている。

Aeroboticsは人口衛生やドローンを活用し、農地全体の作物の管理を可能にする。これによって農家は手入れが必要な作物にのみ重点的にリソースを割くことが可能になる。

上空から作物の健康状態をモニタリングすることで健康状態が悪い作物の早期発見につなげることができる。収集したデータはインターネット上で確認でき、今まで従業員によって属人的に管理されていた情報がドローンによって決まった基準でデータが取得、管理されることになる。

農家はAeroboticsのサービスを利用すれば、処置が必要な作物に絞って重点的に仕事ができることで時間とコストを大幅に削減することが可能になる。すべての作物の健康状態を一つ一つ確認する必要はない。

さらに、Aerobotics上で健康状態が良くないと判断された作物をAeroboticsアプリ上の撮影機能で撮影すればオンライン上での管理はもちろんのこと、その写真を活用してワンタップで専門家に相談が可能になる。

南アフリカ大手銀行Nedbankによる出資の意味

Aeroboticsは、今回の南アフリカの大手銀行であるNedbankによる出資によって、Nedbankが抱えている顧客を効果的に活用することができる。

Nedbankは南アフリカだけでなく、イギリスやオースラリアなどに拠点をおく農業従事者や農業コンサルタントなど農業に関連する顧客をたくさん抱えている。南アフリカ国内だけでなく海外にもサービス展開していく布石とも読み取れる。

Aeroboticsはアフリカだけでなく、世界の農家の農業効率を変えるために収集したデータを解析して効果的な農業ソリューションを提供することを目指す。