コロナ禍のアフリカスタートアップの資金調達方法として注目される「株式投資型クラウドファンディング」
新型コロナの影響で、アフリカ各国が国境閉鎖・都市ロックダウンに踏み切ってから約2ヶ月。これまで主に欧米から現地に足を運ぶVC・個人投資家から資金を調達してきたアフリカスタートアップにとって、今は苦境の時期だ。そもそも、アフリカスタートアップへの投資はリスクが高いとして避けられる傾向があり、現地に足を運んでプロダクトやマーケットをよく見た上で投資を決断するのが定石だった。
現地に足を運べない・リスクが高いという2つの壁を解消するのが「株式投資型クラウドファンディング」だ。
株式投資型クラウドファンディングは、世界中どこからでもアクセスでき、未上場のスタートアップの株式を購入する形で投資できるサービス。さらに購入した株式をオンラインで売買できるため、常に保有株式の流動性を保つことができる。
また、一口あたりの額が小さいことも、このサービスの強みと言える。信用情報のないアフリカスタートアップが良いアイデアを持っていたとしても、投資家にとって大口の投資はリスクが高い。しかし少額から株を購入できるため、リスクを負って投資しやすく、アフリカスタートアップにもってこいの資金調達プラットフォームだ。
以下は共にイギリス発の株式投資型クラウドファンディングで、今後アフリカスタートアップによる利用が増えることが期待される。
Funderbeam
Seedrs
ウガンダ発のフィンテックスタートアップEversendがSeedrsでクラウドファンディングを行い、これまでに706,000米ドル(約7,500万円)の資金を調達した。クラウドファンディング開始時の目標金額は613,000米ドル(約6,500万円)と設定しており、数週間で115%の達成率となった。Eversendは他通貨のモバイルマネーをアプリで管理、支払いや送金に利用できるサービスを展開。現在の利用者数は4万人ほどで、今後はアプリ型ローンへの事業展開を目指す。
コロナ禍でも資金調達が可能で、少額ずつ投資できるため投資家がリスクを取りやすい株式投資型クラウドファンディングは、今後アフリカスタートアップの資金調達方法として拡大することが期待される。