アフリカはナイジェリアで流行っているEコマースを4つご紹介
マッキンゼーの調査によると、今後アフリカのEコマース市場は2025年までに756億米ドルに達するといわれている。また、ナイジェリアの元情報通信省のOmbola Johnson氏によると、ナイジェリアのe-commerce市場において、2017年度には、評価額は10億米ドルに達し、一日に30万のオンライン取引が行われるようになるだろうと予想されている。
また、これらのオンライン上での購買を支えているのは、ナイジェリアにおいてミドルクラス層が増加していることが挙げられる。PwCのレポートによれば、2000年から2014年の期間において、中間層(年間8500米ドル~42000米ドルを稼ぐ人を中間層とする)の増加率は600%と驚くべきスピードで中間所得層が増加している。
2030年までには、中間所得層はおおよそ3倍になるといわれており、2014年の400万人から1100万人まで増加するといわれている。今後もこれらの中間層によってEコマースは支えられていくことになるだろう。
しかし、問題点もある。paypalが行った調査によれば、調査対象者の30%はオンラインでの購入に難色を示しており、その理由として、クレジットカード決済によるセキリティ面に対する懸念が挙げられる。まだまだ現金による支払を希望する人が多く、オンラインにおける決済の安全性の向上が必須課題となってくるだろう。
前置きが長くなってしまったが、上記理由によって、ナイジェリアには多くのEコマースプレイヤーが現れてくることになるだろう。今回は、ナイジェリアにおいて今最も利用され、幅広く商品を展開しているEコマースを4つ紹介する。
ナイジェリアにおけるEコマースプレーヤー4つ
Jumia Nigeria
まずはナイジェリアで最も利用されているe-commerceであるJumiaをご紹介する。Jumiaは電化製品から、スマートフォン、衣料品など幅広く商品を扱うオールジャンルのEコマースである。
Jumiaはドイツのロケットインターネットと呼ばれるドイツ拠点のインキュベータによって設立されている。このロケットインターネットはシリコンバレーの最新ビスネスモデルをコピーし、主にヨーロッパ、アジア、アフリカでサービスを展開し、売却することによって利益を上げ続けている。
Jumiaもロケットインターネットによって設立された、サービスの一つで、investors AXA、ゴールドマンサックス、MTNから総額3億2600万円の調達をした後、市場価値は10億米ドルを超え、2016年2月にアフリカ大陸初のユニコーン企業となった。調達したお金は自社配達システムの確立、配達のトラック、モーターバイクによる配達などに使用するとのこと。まだまだオンラインでの支払いが一般化されていない中で、Jumiaは2016年にJumiapayと呼ばれる独自のオンライン決済サービスをローンチしている。
Konga
kongaは2012年にナイジェリア人であるSim Shagaya氏によって設立されたオールジャンルのEコマースである。kongaも同様にオールジャンルのEコマースを展開している。独自の配達部隊を構えていることに加え、kongo上での販売をサポートするサービスや、物流をサポートするサービスも同様に展開している。
また2016年には、KongaPayと呼ばれる、いかなる販売業者に対して、QRコードによる支払いを可能にするサービスをローンチしている。
上記、JumiaとKongoがナイジェリアにおいて、二大Eコマースサイトである。
Yudala
YudalaはStanley Uzoechina、Prince Nnamdi Ekeh,、Tunde Kehindeの3人組によって、設立されたE コマースである。2015年の設立で、まだまだ若いサービスである。
Yudalaの特徴としては、オンライン上のEコマースだけでなく、実際にオフラインにも店を出店しているところだ。まだまだ、オンラインでの購入に抵抗がある人に対してはオフラインでの購入を促し、同じく、オンラインでも購入できるということを訴求していく流れだ。
また、大手ブランド、Apple、Lenovo、Sony、Microsoftなどと販売契約を結部ことによって、幅広く商品を提供することを可能にしている。
このプラットフォーム上では、衣料品をはじめ、スマートフォン、電化製品を販売している。
Payporte
Payporteは、Eyo Basseyによって設立された、ナイジェリアの首都ラゴスにオフィスを構えるスタートアップである。同社も同様に、衣料品や、電化製品など、オールジャンルのEコマースサービスを展開している。
まだまだ設立したてのスタートアップではあるが、サイトはとてもお洒落で、急速に成長してきている。
Payporteは当初、まだまだ、オンラインでの購入に懐疑的な消費者が多かったことから、配達した際にお金を徴収する仕組みを導入する予定であったが、先日、それらには対応せず、オンラインでの支払いのみにフォーカスしていくことを発表した。ただ、その見返りとして、購入から48時間以内であれば、返金を保障するとの発表をしている。
これらの決定の一要因としてはキャシュフローの改善や、配達員の安全確保が考えられる。配達員がお金を玄関で徴収する際に、必ずしもトラブルが起こらないとは言い切れないからだ。
PayporteもYudalaと同様に、オンラインとオフラインによる販売戦略で顧客の獲得を行っている。
終わりに
今回は、アフリカのナイジェリアで利用されているEコマースについて紹介した。中間層の増加によって、ますます市場は盛り上がり、成長していくことになるだろう。ナイジェリアで多くの顧客を獲得しているJumiaとKongoに対してYudalaやPayporteがどのように競争に食い込んでくるのか。当分目が離せない市場になることは間違いない。今後の各社の動きは要チェックだ。