Wumdrop 南アフリカで盛り上がりを見せるオンデマンドデリバリー市場

11月 28, 2017注目スタートアップオンデマンド,南アフリカ

​南アフリカにおいて、オンデマンドデリバリーサービスが凌ぎを削っている。中国の Tencentが保有する中国で有名なメッセージングサービスのWeChat​もPicupと呼ばれるオンデマンドデリバリーサービスを南アフリカで展開しており、南アフリカにおけるオンデマンドデリバリー市場はここ数年でかなりの盛り上がりを見せている。

南アフリカにおける先駆け的オンデマンドデリバリーサービス「WumDrop」

そのオンデマンドデリバリー市場における先駆け的存在であるのが、​​Hartley氏とRoy Borole氏によって​南アフリカでリリースされた​WumDropである。​スマホアプリ上で、荷物の引き渡し場所、配達先を入力し、その他配達の際に必要になるであろう情報を記載すれば、見積もり価格が表示され、確認ボタン押せば、配達員を手配することができる。

​価格は配達する距離をもとに計算され、ミニマムチャージは50ランド(約400円)からで、1キロごとに​​12ランド(約96円)で計算される。​配達料の70%はドライバーの収益となり、残りの30%はWumDropの収益となる。
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個人消費者の利用はまだまだ少なく、多くは、E-コマースサイトを運営する会社が消費者に商品を送るため、もしくは、小売店などが、他の支店に商品を送る際に利用されているという。

​共同創業者である​Hartley氏​によると、南アフリカにおける地図情報はまだまだ不確かであり、Googleマップ上の多くが誤った情報である。これが原因で、エンドユーザーまで正確に​​商品を届けることができていないという。​WumDropでは独自のデータベースを構築しており、消費者のもとに正しく商品を届けることを目指している。

彼らの考えのユニークな点は、商品を正確な住所に届けるのではなく、ヒトに届けることを目指しているところである。最終的に商品を受け取るのはヒトであって、それらはその商品を使用する消費者に届けられるべきである。住所に届けるというのは一つの方法であって、そこに正確に届けるのがゴールではない。

ヒトに届けるサービス「Deliver2Me」

そして今月、まさに彼らの考えを実現したサービスがリリースされた。それがWumdropによって新たにリリースされたサービスDeliver2Meである。

Deliver2Meでは、消費者がE-コマース上で商品を購入した際に、配達方法としてDeliver2Meを選択することができ、出荷準備が整った際に消費者のもとにSMSが届く。そのタイミングで商品を配達してほしい場合は、デリバリーボタンを押す。そのタイミングでは都合が悪い場合には、都合のよい日程を指定することができる。

消費者は、今の居場所がカフェであろうと、どこであろうとスマートフォン上でドライバーに居場所を伝えれば、ドライバーはその居場所をもとに消費者のもとに商品を届けることができる。

詳しくは以下の動画を見ていただきたい。

​商品受け取りの際に、決まった住所は必要ないのである。

どこにいても、いつでも、好きな時間に商品を受け取ることができる。

現在は、TFGと呼ばれるE-コマースサイトと提携し、TFG上であれば利用できるようになっている。今後の南アフリカのデリバリー市場を大きく変えうるサービスになるであろう。

最後に

南アフリカにおいて、盛り上がりを見せているオンデマンドデリバリーサービスについて紹介した。住所情報が不確かな南アフリカにおいて、以前紹介した同じく南アフリカでオンデマンドデリバリーサービスを提供するPargoと同様に、Wumdropも違った視点でサービスを展開している。いずれも消費者の商品受け取りの利便性、E-コマースの利用を促進するサービスではあるが、今後どういった商品の受け取り方法が南アフリカ、さらにはアフリカ全土において主流になっていくのか、注目すべきポイントであるように思える。WumdropがリリースしたDeliver2Meはヒトに届けるという創業者の思いのもと、どれだけ消費者に浸透していくのか。今後とも注目していきたい。