ケニアで白熱するマイクロローンスタートアップの動向と今後の予想
今回は、ケニアに滞在する筆者がケニアのマイクロローンスタートアップの比較と動向予想をまとめたものを紹介している。
今回のレポートでは、ケニアで流行しているFintechサービスの中でも白熱した市場シェア争いを繰り広げているマイクロローンサービスに特化して紹介している。
マイクロローンサービスの融資額別市場シェアランキング、顧客獲得事例、プラットフォーマーの金融市場への参入事例などを用いて市場動向をわかりやすく紹介している。
異常なまでにマイクロローンサービスが勃興しているケニアの事例は、その他新興国、先進国でのサービス提供の参考になることも多いかと思う。
今回のマイクロローンサービスのケニアの事例が、サービス開発や、新規事業、顧客獲得戦略などに役立つことができましたら、これほど嬉しいことはない。
目次
・ケニアで白熱するケニアのマイクロローン市場動向
・2018年ケニアのマイクロローン企業の融資額ランキング
・ケニアでマイクロローンサービスを提供する企業(銀行、スタートアップ)の比較
・銀行が提供するマイクロローンの特徴
・スタートアップが提供するマイクロローンの特徴
・マイクロローンスタートアップの銀行との戦い方
・マイクロローンスタートアップが銀行に勝つには?
・マイクロローンスタートアップの顧客獲得方法(Pezeshaの事例)
・既存のプラットフォーマ—の金融市場への参入(アマゾンの事例)
・マイクロローンスタートアップの動向予想
ケニアで白熱するケニアのマイクロローン市場の動向
ケニアのマイクロローン市場はかなりの盛り上がりを見せている。
ケニアの通信会社であるSafaricomとCBA BANKの提携によるマイクロローンサービス(M-shwari)が一強状態を維持しているものの、それらに続くサービスが続々と登場している。
ケニアのマイクロローンマーケットには、Tala、Branch、Alternativecircle、Pezesha、Ubapesa、Umaticapital、M-shwari、KCB M-pesaなど多くのプレイヤーが存在している。
最近では、農産物流通プラットフォームを運営するTwiga Foodsが、IBMと提携し、マイクロローンサービスを提供すると発表した。
しかも、貸し出し金利は1-2%と他のマイクロローンサービスと比較すると圧倒的に低い。
スタートアップ、大手銀行、既存のプラットフォーマーからのマイクロローン市場への参入が続き、サービスの利便性はもちろんのこと、どのようにユーザーを囲い込むかが重要になってきている。
大手銀行、既存のプラットフォーマーからの参入であれば、既存のユーザーに対してサービスを提供することで、ユーザーの囲い込みの面で利があるように思える。
その点で、スタートアップにとっては、厳しい戦いが予想される。
2018年ケニアのマイクロローン企業の貸し出し額ランキング
2018年のケニアのレンディングサービス提供会社による貸し出し金額別ランキングは以下になる。
1. M-shwari (28.8%) -銀行
2. KCB M-Pesa (12%) -銀行
3. Equity Eazzy (3.9%) -銀行
4. Tala (1.8%) -スタートアップ
5. M-Coop Cash (1.3%) -銀行
6. Branch (0.5%) -スタートアップ
7. Others
上記、6社の内、銀行によるサービスが大半を占めている。M-shawri、KCB M-Pesa、Equity Eazzy、M-coop cashはそれぞれ、CBA Bank、KCB、Equity Bank、Co-Operative Bankによって提供されているサービスだ。
Tala、Branchといった既存のスタートアップは銀行口座を持つことができない層向けにマイクロローンサービスを提供している。
それに対し、銀行が提供するマイクロローンサービスは、すでにそれぞれの銀行の口座を持った人向けにサービスを提供している。
マイクロローンだけでなく、モバイルウォレットサービスも提供しており、その中の1サービスとしてマイクロローンを位置づけている。
ケニアのマイクロローン市場は、大手銀行が市場を牽引するという構図になっている。
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今回のレポートでは、数多く存在するマイクロローンサービスで、それぞれのサービスにどのような違いがあるのか、どのように勝ち残っていくことができるのか、今後どのような展開になるのかということをまとめています。
新興国もしくは日本でのサービス展開に参考になる情報を提供できるようにまとめておりますので、この機会にぜひご一読下さい。
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