ケニアのスタートアップを支えるコワーキング施設「Nairobi Garage」創業者へインタビュー
ケニアのスタートアップのエコシステムを語るうえでコワーキング施設の存在は欠かせない。
ケニアのスタートアップを様々な側面でサポートし、ケニアのスタートアップの成長を促している。
現在、ケニアには27ものコワーキング施設があると言われており、アフリカ内でも南アフリカ、エジプトに次いで3番目に多い数字だ。
すでにケニアの首都であるナイロビ市内に2拠点を構え、多くのスタートアップ、投資家を魅了しているコワーキング施設がある。
AF TECHが主催するケニアスタディツアーでも訪問を予定している。
二つの拠点を合わせると約200社のスタートアップが入居可能なコワーキング施設「Nairobi Garage」だ。
今回はNairobi Garageの創業者であるHannah氏に直接お話をお伺いした。
創業間もないスタートアップに対して「コワーキング」コンセプトのスペースを提供
Hannah氏はNairobi Garageを創業する前、ケニアのシードスタートアップを対象にしたアクセラレータープログラムを実施していた。
「Nairobi Garageの創業はある種偶発的なものでした。シード期のスタートアップを対象にアクセラレータプログラムを実施する中で、どこもオフィススペースの確保に困っていました。『コワーキング』のコンセプトは創業間もないスタートアップにとって需要があるのではないかということで、2014年に最初のコワーキングスペースをナイロビにオープンしました。」
Nairobi Garageにはさまざまな分野のスタートアップ、フリーランサーやジャーナリスト、また、国際的に有名な企業がナイロビ支店として入居している。
様々業界、規模、バックグラウンドを持つ会社が一同に集結している場所が「Nairobi Garage」なのだ。
最初にオープンしたコワーキングスペースは、直ぐに多くのスタートアップによってスペースが埋まり、特に創業間もないスタートアップに「コワーキング」コンセプトの施設の需要はあると確信した。
2017年には、同じくケニアの首都であるナイロビ市内に2拠点目をオープンし、3フロアにまたがってオフィススペースを提供している。
Nairobi Garageでは、オープンデスク、個室、集中ルーム、会議室などビジネスをするうえで必要な設備がすべて整う。
個人での利用や、4-5人のチームでの利用、50人規模での利用など幅広い企業規模に合わせてサービスが提供されている。
現在Nairobi Garageは120を超える会社が利用する施設になっている。
AF TECHでは以前、Nairobi Garageに入居するスタートアップにインタビューを行っている。
どのようなスタートアップがNairobi Garageに入居しているのか知っていただくためにも是非ご一読いただきたい。
■オンライングローサリーデリバリーサービス「Wagon Shopping」
ケニアのグローサリーデリバリー「Wagon Shopping」CEOにインタビュー
■マイクロファイナンスサービス「Umati Capital」
Umati Capital ファイナンスを通じてアフリカのサプライチェーンにおける課題を解決
■リサイクル可能ゴミ買い取りプラットフォーム「Mr.Green Africa」
Mr.Green Africa アフリカのごみ集めの人達に経済的信用を与える
■インフルエンサーマーケティング支援サービス「Medios」
Medios アフリカのインフルエンサーを用いたプロモーションサービス
コワーキングスペースの提供だけではない充実したサポート体制
Nairobi Garageが入居する企業に提供するのはコワーキングスペースだけではない。
「Nairobi Garageに入居していただく際に、簡単なヒアリングシートを入力していただいています。どのような業界に興味があるのか。その業界に関連するイベントに興味はあるかといったことを入居前に確認しています。興味があると回答してくれた企業には親和性がありそうなイベントがあれば積極的にお声がけしています。あくまでも入居する会社の要望に沿って様々なサポートを行っています。」
Nairobi Garegeでは、企業の要望に沿って、イベントの開催やネットワーキング、ビジネスサポートを行っている。
定期的に開催するイベントでは、業界をリードする起業家、専門家を招いて講演を行ってもらったり、参加者同士でディスカッションを行う機会を提供している。
Nairobi Garageが企画する直近のイベントだと、ケニアで無電化地域に住む人向けに家庭用太陽光発電システムの割賦販売を行う「M-KOPA」のCEOであるJesse Moore氏をお招きし、M-KOPAの創業から現在までについての講演がある。
Jesse Moore氏がケニアで経営するM-KOPA社は、MITが選出する「スマートな企業トップ50」や、Fortune誌が選ぶ「世界を変える企業トップ50」に選出されており、ケニアで最も注目されているスタートアップだ。
日本の五大商社である三井物産もM-KOPAへの出資契約を結んでいる。日本にも縁がある会社だ。
Nairobi Garageでは、こういった業界のトップを招待し意見交換を行うイベントを定期的に開催している。
ネットワーキングでは、企業の要望に合わせ、有益なマッチング機会を提供している。
例えば、農業分野でサービス展開を行う会社がその他の会社の農業分野の事例について学びたいというのであれば、ケニアの農業分野でサービス展開を行う企業をいくつか紹介する。
アジアへの進出を検討しているのであれば、アジア進出に詳しい専門家、もしくはすでにアジア進出を行った企業のCEOを紹介したりと要望に合わせたきめ細かいサポートを行うのがネットワーキングサービスだ。
もう一つ、Nairobi Garageが行うサポートにビジネスサポートがある。
これは、労務、採用、財務、広報など創業間もないスタートアップをサポートするサービスだ。
弁護士や会計士、投資家の紹介、Nairobi GarageのプログやSNS等を利用した広報面でのサポートなど。
スタートアップが本業に集中できるようサポートを行っている。
Nairobi Garageに入居する企業はこれらすべてを無料で利用することができる。
オフィススペースの提供だけでなく、それぞれの企業の要望に合わせてトータルサポートを行っているのが「Nairobi Garage」なのだ。
企業が本業に集中できるように配慮された環境
ここからは写真を中心に「Nairobi Garage」を紹介する。
●Nairobi Garage レセプション
●Nairobi Garage 待合ゾーン
●コワーキングスペース
●リラックススペース
一部画像出典:同社ウェブサイトより
ケニアのスタートアップエコシステムを体感する「Nairobi Garage」視察
AF TECHでは、今回のインタビュー先である「Nairobi Garage」といったコワーキング施設を訪問するビジネス視察と、現地スタートアップでの新規事業立案インターンシップを組み合わせた実践型のスタディツアーを企画しています。
ケニアスタディツアーの参加を通じて、グローバルで活躍するための土台となるスキル習得やケニアで様々なバックグラウンドを持つ起業家や経営者との交流を通じて、今後のキャリアを検討する貴重な機会を提供します。
■日程
2018年8月27(月)−9月7日(金)の2週間
■開催地
ケニア(首都ナイロビ)
■プログラム内容
ケニアのスタートアップ、起業家との英語での交流、ディスカッション。現地スタートアップ企業でのフィールドワーク、最後にはCEO及び社員へ英語での事業改善、新規事業案のプレゼン
詳細のご確認、資料請求は以下(別ページ)よりお願いします。