小規模店舗オーナーをトータルサポートするケニア発のモバイルアプリ「Tanda」
ケニアのスタートアップTandaは、携帯の通信料や電気を販売することを可能にするサービス開始のリリースを発表した。
Tandaはキオスク(小規模路上店舗)のオーナーに対して、携帯の通信料や電気を販売することを可能にするモバイルアプリを提供している。
通常、キオスクのオーナーは通信会社が提供するカードを仕入れることで通信料の販売を行っていた。
今回のTandaのアプリによって、需要に応じて携帯の通信料の販売を自由に行うことができるようになる。
アプリ上で販売できるため、仕入れの必要もなく販売数が限られることがない。
さらにTandaは現在はまだ正式にリリースされていないが、キオスクのオーナーがアプリ上で商品の発注、在庫管理を行うことができるサービス、また、キャッシュフロー不足のため商品を仕入れることができないキオスクオーナーに対してマイクロローンを提供するサービスの開始も予定している。
アプリ上で商品の発注を行うことができるサービスに関しては、ケニアの首都ナイロビに拠点を置く大手卸売業者5社と提携し、サービスを運営を始める予定だ。
キオスクのオーナーはスマホで簡単に商品の発注を行うことができ、発注した日に配送費無料で商品を受け取ることができる。Tandaが提供するスマホアプリには、在庫管理機能もついており、売上の記録や在庫管理を行うことができるPOSのようなサービスとしても機能する設計になっている。
一方マイクロローンサービスに関しては、Tanda上での購買履歴に基づいて信用スコアが算出される。
信用に足ると判断された場合は、キオスクオーナーは商品を注文し、後払いという形で商品を仕入れることができるようになる。
しかし、後払いの場合は、商品代の支払いに加えて、すべての商品に対して配送手数料が課されることになる。
キオスクオーナーにとって理想的なTandaのサービスであるが、アプリでサービスを提供するにあたって、障壁がある。
通常こうしたキオスクのオーナーは低所得のためスマートフォンを持っていないことがほとんどだ。
サービス検証期に関しては、マイクロソフトと提携し、Lipa(スマートフォンのブランド)の無料提供を行い検証を行っていた。
今後、正式なリリースに伴って、キオスクオーナーに対して、月払いの割賦販売でスマートフォンを提供することで、Tandaのサービス提供を可能にする。
Tandaは通信料といったスマホアプリ上で通信料の販売を可能にするサービス、商品の発注、在庫管理機能、マイクロローンサービスの提供といったトータルソリューションを提供することで、小規模店舗を運営するキオスクオーナーのビジネスを持続可能な状態にするべくサポートしていく。
収益プランが明かされていないため、あくまでも予想にはなるが、今後、Tandaはキオスクオーナーのような低所得者層に対してリーチできるプラットフォームとして、購買データを元に信用スコアを算出し、彼らに対して保険などの金融サービスの提供、その他、スマートフォンをはじめとした商品の割賦販売を行うことで収益化していくのではないかと予想する。
また、各キオスクオーナーから収集される購買データを元に、メーカーに対してのマーケティング、販売戦略コンサルティングを行うことで収益化することも考えられる。