総額100兆円の調達に達した盛り上がるアフリカのフィンテック市場での新サービス

11月 26, 2017注目スタートアップフィンテック,南アフリカ

現在アフリカでは、301社ものフィンテックスタートアップがアクティブに活動している。

その内、31.2%ものフィンテックスタートアップは南アフリカ発のスタートアップである。2位、3位には同率でケニア、ナイジェリアが並んでいる。

アフリカでのフィンテックスタートアップは、大きく分けて9つのカテゴリーに分けられるが、その中でも約半数にあたる41.5%のフィンテックスタートアップは、支払い、送金に関わるサービスを提供するスタートアップだ。また、少額のローン、ファイナンス分野に関わるサービスもその次に多いカテゴリーであった。

まだまだ基本的な金融サービスにもアクセスできない人が多いアフリカで、このようにフィンテックスタートアップが現状の金融システムをディスラプトするのはとてもいいことのように思える。

アフリカでのフィンテックブームは2015年から始まり、今までで総額92679000ドル(約100兆円)の調達がされている。

また、投資家の投資先の傾向としては、2015年以降には、基本的なファイナンシャルサービスを利用できるようにする、支払い、送金、ローン、ファイナンスのサービスを提供するスタートアップに投資する傾向が強い。一方で、ブロックチェーン技術を用いてフィンテックサービスを提供するbitpesaのようなサービスにも投資しているという例もみられる。

今アフリカのスタートアップ業界において特に盛り上がっているのはこのフィンテック市場と言えるだろう。今回はかなりの注目を浴びているフィンテック業界で、少し変わったアプローチでサービスを展開しているFinchatbotというスタートアップを紹介する。

自動チャットで最適なファイナンシャルサービスを提供する

Finchatbotは、金融商品や、保険入会の際の相談、お問い合わせをすべてチャット上で完結させるサービスである。

このFinchatbotには大きく分けて3つの特徴がある。

1つ目は、チャット上ですべてが完結するため、コールセンターを用意して、顧客を獲得する、サポートするといったコストを大幅に削減することができるのである。

2つ目は、さまざまなプラットフォームに自動チャット機能を搭載することができることである。サイトウェブサイトでも、Wechatや、WhatsAppなどにもチャット機能の搭載は可能である。

3つ目は、会社の金融商品、保険に合わせて、カスタマイズした自動返信機能を搭載することである。上記商品が異なれば、もちろん商品購入までの意思決定の仕方は異なる。そのため、金融商品や保険に合わせて、自動返信するチャット機能を用いることで対応を可能にしている。

例えば、以下の様なチャットが想定される。

Finchatbot
お元気ですか。チャットボットのFinchatbotです。何かお手伝いできることはありますか。
ユーザー
車の保険に入りたいのですが
Finchatbot
車の保険ですね。分かりました。すぐに見積もりを取ることができますが、準備はできていますか。
ユーザー
はい。できています。
Finchatbot
では、車の年式を入力してください。
ユーザー
2012
Finchatbot
車のブランドを教えてください。また併せて車名も教えて下さい。
ユーザー
TOYOTAのプリウスです。
Finchatbot
どれくらい運転しますか。
ユーザー
週に1回くらいです。
Finchatbot
見積もりができました。以下の資料をご確認下さい。

といった具合に、すべての会話は人口知能によって行われ、すべて自動で行うことが可能なのである。

人口知能を用いているため、フィンテック業界における、さまざまなサービスに対応したチャットボットを搭載することができるのが最大の強みだ。

南アフリカ発の同スタートアップは、今後ケニア、そしてヨーロッパのフランスへのサービス展開を予定している。

最後に

現在、かなりの盛り上がりを見せているフィンテック業界において、少し変わったアプロ―チでサービスを展開しているFinchatbotを紹介した。

ユーザー目線からすれば、たくさんあるファイナンシャルサービスの中で、はどのようなサービスを利用すればいいのか、どれが信用できるサービスなのか見極めることは極めて難しい。

その点において、いかなるファイナンシャルサービスにおいても。チャットで気軽に相談ができて、見積もりまで出してくれるのであれば、ユーザーにとって多くの会社を比較した上で、判断することができるため、より納得した決断をすることができる。

アフリカでは、ケニアのM-PESAを皮切りに、アフリカのニーズに即したフィンテックサービスが数多く出てきており、今後もそのようなサービスがどんどん登場することは間違いないであろう。