オンライン支払いサービスを提供するアフリカのナイジェリア発サービス5選

4月 20, 2018注目スタートアップナイジェリア,フィンテック

まだまだ未開の土地アフリカ。ここでは、約3億人ほどの人がいまだに銀行口座を持っていないといわれている。ほとんどの人が正式なファイナンシャルサービスを利用できていないのである。今アフリカではこの大きな隙間を埋めようと数多くのFintechスタートアップがしのぎを削っている。

そもそも、大多数の人が銀行を利用しているわけではないので、新しいファイナンシャルサービスが次々と生まれ、新たな市場を創りだしている。新しいペイメントソリューションや、電子マネーなどアフリカの市場において新たなムーブメントが広がっている。

アフリカでは現在、何百万もの決済が行われているが、オンラインで行われているのはたった10%のみである。現在90%もの決済は現金で行われているが、今後オンラインペイメント、USSD通信を使った支払い方法(オフラインで送金や支払いが可能)が普及していくことで携帯やスマホを使った支払いが主流になっていくことと思われる。

ナイジェリア発オンラインペイメントサービス5選

今回は今後アフリカ(ナイジェリア)のオンラインペイメント市場を引っ張っていくであろうオンラインペイメントサービスを提供するナイジェリアのスタートアップ、サービスを5つ紹介する。

interswitch(quickteller)

■概要
interswitchは2002年にMitchell Elegbesi氏によって設立された会社である。この会社ではVERVEというナイジェリアで一番利用されているプリペイドカードを提供している。このカードではナイジェリアはもちろん、世界185の国で決済をすることができる。このカードの特徴は、VERVEに特別な特典機能があることや、指紋、声による認証が登録でき、セキリティ面がしっかりしていることである。さらに上記サービスに加え、Quicktellerというサービスがある。こちらがオンラインペイメントソリューションのサービスを提供している。今後interswitchはラゴスとロンドンにて上場する準備段階である。

■サービス
Quicktellerとは、いかなる事業者がオンラインでの支払い受付を可能にするサービスを展開しており、クレジットカード、デビットカードを始め、数多くの支払い受付を可能する。また、Quickteller上では、USSD(ネットではなく、携帯の通信テクノロジーを使用しているのでオフラインでも利用できる)といわれる携帯の通信テクノロジーを使用したお金の送金や携帯通信料のチャージ、映画のチケットの購入、ホテルの予約を可能にしている。

VoguePay

■概要
VoguePayはLeke Ojikutuによって設立されたE-コマース向けのサービス、個人、企業向けの電子バンク機能を提供する会社である。購入者と販売者に安全で簡単なオンラインペイメントサービスを提供している。

■サービス
このサービスによって、E-コマースを事業を行う者はオンライン上でクレジット/デビットカードによる支払を受け付けることを可能にする。今までは、ネット上で購入したあと、ATM、もしくは銀行に行き、指定された振込先に振込ことで支払いが完了していた。しかしこのサービスによって、インターナショナル、ドメスティック両方からのクレジット/デビットカードでの支払いを受け付けることを可能にしている。

VoguePayでは支払者、支払受け取り者両方から手数料を徴収している。また、このサービスは電子バンク機能も備えており、アカウント間の送金、預金、引き出しも可能である。

paystack

■概要
PaystackはShola Akinlade氏とEzra Olubi氏によって設立された会社である。Paystackはナイジェリアでも最も注目されているスタートアップといっても過言ではない。なぜなら、ナイジェリアで初めてY-Combinatorプログラムから生まれたサービスだからだ。アーリーステージではY-Combinatorからの投資を受けている。2016年12月19日、シード期にTencent、 Tokyo Founders Fundなど国内、国外の投資家から総額130万ドルの投資を受けたと発表した。この投資では社内エンジニアチーム、セールス、マーケティングを強化することを検討している。

■サービス
このサービスはE-コマースもしくはいかなる事業者に対して簡単なセットアップのみでクレジット、デビットカードでのオンライン決済を受け付けることを可能にする。また、PaystackではUSドルなど複数通貨での支払にも対応している。さらに定期購読の課金対応も可能にするオンラインページも簡単なセットアップのみで作成することができる。また、paystackの大きな特徴はダッシュボードである。ダッシュボード上で収益のトレンドをグラフで確認できたり、出金、入金の記録をすべて確認することができる。

CashEnvoy

■概要
CashEnvoyはOlaoluwa Awojoodu氏によって設立されたElectronic Settlement Limitedで提供している1サービスである。同じくE-コマース事業者向けのオンラインペイメントソリューションサービス、個人、企業向けの電子バンク機能を提供している。当初すでにアフリカに進出していたPaypalとの提携を組むためにメールを送ったが返信がなかったため、事業パートナーであるSegun Okin氏とともに自らのアイデアを事業化していった背景がある。

■サービス
このサービスは、E-コマース事業主側がクレジットカード、デビットカード、同サービスであるCashEnvoy Walletからのオンライン上での支払いを受け付けることを可能にする。このサービスの特徴的な点は支払い者側からは手数料を一切とらず、E-コマース事業側がモノやサービスを販売した際に得たお金の受け取り、引き出しの際に手数料を徴収している。

simplepay 

■概要
simplepayはSimeon Ononobi氏によって設立された、E-コマース向けのサービスを提供する会社である。SimplePayは2013年にシードスターの開催するコンペティションでグランプリに輝き、33万ドルの投資を受けている。

■サービス
事業主側は、simplepayのダッシュボード上でリンクを発行し、購入者側にお送りする。購入者側はそのリンクから支払い画面に行き、支払いを完了することができる。ソーシャルメディア上でリンクを張ることで、一般の人であっても支払い、もしくは募金を募ることができる。また、e-コマース上でそのリンク先に飛ぶボタンを設置すればコマース上での支払い受付も可能になる。リンクさえ発行すればだれでも簡単に支払いを受け付けることができることを可能にするサービスである。

最後に

Eコマースの発展に伴い、上記で挙げたサービスのようにオンライン決済まわりのサービスもどんどん出てくることになるであろう。まだ、オンライン決済には懐疑的なナイジェリアに対して、他国である、ケニアでは、M-PESAと呼ばれる電話回線を用いた送金サービスが普及していることからナイジェリアと比べればそこまで壁は高くないであろう。南アフリカに関しては成熟しているマーケットといえ、オンライン決済も普通に行われている。テクノロジーの発展によって、現金などもたずとも生きていくことができるのである。その未来は本当に近いかもしれない。独自の発展を遂げているアフリカは今後も注目だ。