Google Launchpad Africaに選出されたスタートアップ12社
Googleはアフリカでは初の開催となるGoogle Launchpad Accelerator Africaに参加する12社のスタートアップを発表した。
昨年、GoogleはGoogleの持つ最新のテクノロジーの活用とメンターシップを通じて事業拡大の支援をすることを目的に、Google Launchpad Acceleratorのアフリカ進出を決定していた。Google Launchpad Acceleratorは今後3年間でアフリカのスタートアップに300万米ドル以上の無償資金協力、勤務スペース、Google、シリコンバレーの専門家へのアクセスを提供する。
選出されたスタートアップは、ナイジェリアから6社。ケニアから2社、ガーナ、南アフリカ、タンザニア、ウガンダからそれぞれ1社の合計12社。
ナイジェリアからは、子育てコミュニティプラットフォームのBabymigo、ペイメントサービス提供のKudi、電子書籍出版サービスのOkadaBooks、定期預金プラットフォームのPiggybank.ng、銀行向けプラットフォームのRiby、農家向けクラウドファンディングプラットフォームのThrive Agricが選出。
ケニアからは、オンラインペイメントソリューションを提供するFlexpay、P2Pマイクロレンディングプラットフォームを提供するPezeshaが選出された。
ガーナからはミレニアム向けメディアのOMG Digital、南アフリカの家畜売買サービスswiftVEE、タンザニアの映画・ドラマ配信サービスのTangoTV、ウガンダのオンラインヘルスケアプラットフォームのTehecaの4社が選出された。
Google Launchpad Africaに選出されたスタートアップ12社
ナイジェリア
ママのためのプラットフォーム。プラットフォーム上では、ご育てをする上で困ったこと、気になることを先輩ママに質問できる。また、プラットフォーム上には信頼できる医師も登録されており、月額支払うことで相談や診察を受けることができるようになる。その他にも、子供用のおもちゃや服をオンライン上で検索、購入できたり、ママ向けのイベント情報が掲載されている。ご育てするママ向けのトータルサポートプラットフォームを提供している。
KudiはChatbotを使用することでペイメントソリューションを提供している。ユーザーはメッセンジャー、skype、telegramのいずれかを使用して、Kudiのチャットボットにチャットをすれば、チャットボットがKudi上で登録した銀行への送金、電話代の購入や電気代の支払いを行ってくれる。Kudi経由で送金を行うユーザーは、送金にかかる手数料を支払う必要はない。その代わり、Kudiは送金や各種支払いを代行する手数料として100ナイラを徴収している。
Kudiは新しくアプリ等を通じてサービスを提供するのではなく、すでに彼らが利用しているサービス(メッセージングサービス)を元にサービスを提供している点に他者のペイメントソリューションを提供するスタートアップとの優位性がある。
KudiはYcombinatorのデモデイ出身のスタートアップである。
Okadaboksはオンライン上で本の出版、販売を行うことができるプラットフォームを提供している。著者にとっては、オンライン上でブログを書くように、簡単にほんの出版をすることができる。読者はオンライン上で本を購入することで、ウェブもしくはアプリ上で本を読むことができる。価格は著者によって異なり、無料で読める本も数多くある。
オンライン上で本を購入し、読むことができるサービスはアマゾンが提供しているが、もともと著者であった創業者が本を販売した後の本屋からの売上金の回収に苦労したことから、本を出版し、お金を回収するまでの問題を解決するためにOkadabooksを創業した。著者だけでなく、一般の人でも本を出版でき販売できる点がユニーク。
すでに17000もの本が出版されており、20万3000人のユーザーがいる。アプリのダウンロードは100万ダウンロードを超えている。
Piggybanksはオンライン上で定期預金できるサービスを提供している。毎日、毎週、毎月、自分が設定した金額がPiggybanksウォレットに貯金される。Paggybanksウォレットは最初に登録が必要な銀行口座情報に紐づいており、その銀行口座内の預金から指定日に引き落とされ、Piggybanks上に貯金される。
Piggybanksでの定期預金を始める際に、定期預金を行う日数を設定する。その日数になれば自動的にPiggybanksウォレットから登録した銀行口座に貯めたお金が送金される。手数料はかからない。また、定期預金を設定する際に、預金する日数によって金利が変わる。その金利は定期預金設定時に前払いでもらうことができる。ただし、それまでに引き出したいとなった場合は、引き出し額の5%が手数料として請求される。
例えば、1000日間、毎日100円(分かりやすくするために円表記にしている)定期預金をすると設定するとした場合、1000日で合計10万円の貯金をすることができる。Piggybanksによると、1000日間の定期預金を設定した場合、30%(年間で10.95%)の金利分を前払いしてくれる。10万円の30%なので、3万円の前払いを受け取ることができる。
Ribyは協同組合銀行、組合のメンバー向けにファイナンシャルサービスを提供している。協同組合には組合内の資金の移動、ローン申請などを管理するプラットフォームを提供している。
個人向けには、メンバー内でお金のレンディングを行うことができるサービスを提供している。また、貯金や投資を計画的に行うことを可能にする個人のファイナンシャル管理アプリも提供している。
農家向けのクラウドファンディングプラットフォーム。資金提供者は資金サポートの見返りとして、収穫した作物を得ることができる。設定するリターンは農家によって異なる。資金提供者は自分がサポートしたい、もしくは得られるリタ―ンを考慮して資金提供する。
Thrive Agricは世界的な食料不足問題を解決するためにサービスを提供している。
2017年5月にVenture Platformより2万米ドルの資金調達を実施している。
ケニア
オンラインでの支払いを可能にするソリューションを提供している。Flexpayでは、SMSでの購入予約受け付け、オンライン上でのレシートの発行、オンライン上での支払い、入金の管理を行うことができる。
FlexpayはEコマース事業者や、教育機関、旅行会社、航空会社等にサービスを導入している。
P2Pのマイクロレンディングのマッチングプラットフォームを運営している。お金を借りたい人は、プラットフォーム上でお金を貸したい人から借りることができる。
Pezeshaが目指すのは、ケニアにおける雇用の約80%を支えている中小企業へのレンディングを通して、中小企業の発展を支え、更なる雇用を生み出すというものである。
Pezeshaは2016年12月にエンジェル投資家より50万米ドルの資金調達を行っている。
ガーナ
ガーナ初のミレニアム向けメディア。ライフスタイル、テクノロジー、食生活、ウェディングの4つのテーマでそれぞれテーマ毎にメディアがある。それらはライフスタイルメディアのOMGVoice、食生活関連メディアのServepot、テクノロジーメディアのBitnode、ウェディングなど女性向けのメディアのBloomtentがある。
OMGdegitalの特徴はその国に特化した独自の情報を提供している点にある。現在、ガーナ、ナイジェリア、ケニア向けにメディアを運営している。
OMGdegitalはYcombinatorのデモデイ出身のスタートアップで、2017年7月に110万米ドルの資金調達を実施している。
南アフリカ
家畜の売買を行うことができるアプリを提供している。アプリ上では家畜の販売を行う農家とバイヤーのマッチングを行っている。
SwiftVeeは2017年にシードラウンドでTechnology Innovation Agencyより資金調達を実施している。金額は非公開。
タンザニア
アプリ上で、ローカル(スワヒリ言語)の映画、ドラマをアプリ上で配信するサービス。サブスクリプションモデルでサービスを提供している。
7日、14日、1ヶ月の見放題プランから選択することができる。値段はそれぞれ1500、3000、6000タンザニアシリング。プランを申請し、モバイルマネーで支払いを行えば、見たい映画、ドラマを見ることができる。
TangoTVはTechcrunchが主催したStartup battle field 2017でもピッチを行っている。
ウガンダ
アプリ上で、患者、子育て中のママ、お年寄り向けに在宅医療サービスプロバイダーの検索、手配を行うことができるアプリを提供している。
アプリ上ではユーザーによって異なる専門家を手配することができる。一般患者には在宅医療サービスプロバイダー、子育て中のママには子育てママのメンタルケアや子供の健康、発育に詳しい専門家、お年寄りの方には介護の専門家を手配することできる。
——————————————
AF TECH公式note
AF TECHでは、アフリカでビジネスを行う上で重要なニュースをまとめたレポート記事をAF TECH公式としてnoteで特別に配信しています。
アフリカでビジネスを検討している方、アフリカのビジネス環境、市場に興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。