ウェアラブル端末で新興国の高すぎる新生児死亡率に挑戦するneopenda

6月 25, 2020注目スタートアップウェアラブル,ウガンダ,ハードウェア,医療

毎年約260万人の生後1か月以内の新生児が命を落としており、その98%が新興国で発生している。その命を落としてしまう新生児のうち80%は医療設備や医療従事者の数が十分であれば助かった可能性が高いとも言われている。neopendaは新生児向けのウェアラブル端末neoGuardを開発し、この大きな課題に挑戦している。

neopendaは2015年にコロンビア大学の大学院にて当時学生のSona ShahとTeresa Cauvelによって設立された。neoはスワヒリ語で「新生児用の」、pendaは「愛」をという意味である。

大学の講義にて2人は新興国の新生児死亡率が高い理由のひとつとして、合併症の診断ができていないことや、様態の悪化に医療関係者が迅速に対応できていないことが上げられることを学んだのち、neopendaを共同創業しウガンダへ渡った。

彼らが開発しているneoGuardは、新生児の頭や腕に巻き、新生児の脈拍数、呼吸数、酸素飽和度、体温の4つの重要なバイタルサイン*を計測・管理するウェアラブル端末である。

*バイタルサイン:生きている状態を示す指標。体温・呼吸・脈拍・血圧など。【デジタル大辞泉より】

この機器は充電式となっているため、電力が安定しない地域でも利用が可能となっている。また、neoGuardによって計測されたデータは付属のタブレットにインストールされたアプリで管理されており、新生児に異変が起きた際、アプリに表示されることはもちろんの事、LEDライトの点滅や音で周りに通知する仕組みとなっている。

neoGuardは2020年6月20日現在、ウガンダとアメリカで臨床試験が行われており、普及に向けて準備を進めている。今後は15台のneoGuard、タブレット、充電器、その他必要なソフトウェアなどを含むセットにして2500ドルでの販売を予定している。これは既存の競合製品の半額以下の価格設定となっており、電池式であることとともに、新興国の事情に合わせた設計になっている。